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JAL機・海保機衝突事故分析 - 3者の思い込みスパイラルが引き起こした悲劇 -

様々な航空評論家が意見を述べている中、私も航空コンサルタントとして少しだけ解説させていただきます。事故が発生したニュースを目にして、瞬時に「3者の思い込み」について思いを巡らせました。

JAL機の思い込み

JAL機のクルーは、悲劇の要因となる思い込みに陥っていました。

  1. 滑走路上の他機確認の不足: 着陸許可が降りている状況であることから、滑走路上に他の航空機がいるという考えに至らなかった可能性があります。
  2. 先行機の視認の過小評価: 一般的な進入パターンを無視し、先行機の小型機であることに対する思い込みが、正確な判断を妨げた可能性があります。

海保機の思い込み

海保機のクルーも、思い込みが悲劇を引き起こした一因です。

  1. 優先権への過信: 管制官からの優先権が与えられる指示を受け、自機に対して優先的に離陸できるとの思い込みがあったと考えられます。
  2. 滑走路上の確認怠慢: 長時間の待機中に滑走路上での確認を怠ったことが、思い込みによる航空事故を引き起こした可能性があります。

管制官の思い込み

管制官にも思い込みが見受けられます。

  1. 許可がない限り進入しないとの思い込み: 管制官は滑走路への進入許可がない限り、航空機が進入するとは考えていませんでした。しかし、実際には許可が下りながらも事故が発生しました。
  2. ラッシュアワーにおける焦り: 空港でのラッシュアワーにおいて、次から次へと進入する航空機に対する焦りが、正確な情報の確認を妨げた可能性があります。

結論

3者の思い込みが絡み合い、スパイラルとなって悲劇を引き起こしました。この事故から学ぶべきは、様々な立場の関係者が柔軟で客観的な判断を持ち、確認を怠らないことが航空安全の基本であるという点です。

最後に、犠牲となった5人の海保職員の方々のご冥福を心からお祈りいたします。

航空コンサルタント 佐藤 裕人


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